運動会と園庭

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今井保育園の運動会が近づいてきました。

10月という、台風や秋雨で天候がすぐれない時期に、なぜか全国中で運動会が開催されます。その昔稲刈り(大人から子どもまで家族総出の重労働でした)が終わったあとの農閑期だから行事が入れやすかったという説や、1964年に行なわれた東京オリンピックが10月だったからという説など諸説あります。現在では秋という時期に縛られず、5月頃に開催されるところも増えてきました。

さてなぜこれほどまで全国で運動会が行われるようになったのでしょうか。一説には尋常小学校の教育の中で軍事教練を行なっていたので、その成果を確認するためと言われています。現在となっては時代錯誤もはなはだしいので、運動会のあり方も考えていく必要があるでしょう。

さらに言えば、なぜ園庭は平らなのでしょうか。
小学校・中学校の校庭は広く平らでなければならない、とされてきました。これにも上記の軍事教練が関係します。教練のためには平らで広い場所が必要になります。そのため校庭は広く平らにするようになり、遊具他の設備は端っこにまとめられ現在のような形式になりました。保育園・幼稚園の園庭は小学校の例にならって、なんとなく今のような形になったというわけです。

日本で初めて園庭を作ったのは東京女子師範学校付属幼稚園(現在のお茶の水女子大学附属幼稚園)でした。同幼稚園では当時ヨーロッパでは常識とされていたドイツのフリードリヒ・フレーベルという幼児教育学者の考えに従い、起伏があり草花が生い茂る庭を作ろうとしました。
しかし、文部省(現在の文部科学省)からの「指導」で平らな園庭にしなくてはなりませんでした。その理由は「凸凹があっては教練ができないから」だったと言われています。

園庭は、つい最近まで平らで凸凹がないことが良いとされていました。転びにくいからとか、見晴らしがいいほうが異変に気づきやすいなど理由は挙げられますが、実際はどうなのでしょうか。
水辺の生物がやってくるようにとビオトープを作り、起伏を設けるために山を築いたり、隠れる場所として土管や茂みを作っている園も多く見られるようになっています。そうした園で怪我が多くなったとか、事故が増えたとかいう話はありません。

安全な環境で冒険心を持ち、四季を感じ、さまざまに想像の翼を広げる環境として、園庭のあり方も考えてもいい時期ではないかと考えています。