いつでも未来は不確定

この記事は約2分で読めます。

 「シンギュラリティ(技術的特異点)」という言葉をご存知でしょうか。年々科学技術が発達していきますが、遂にはコンピュータ等による人工知能が、人間の思考能力を越える時をこのように呼ぶそうです。

 この時が西暦2045年にやってくると言われています。SFの中のようなお話ですが、まったく荒唐無稽というわけではありません。今年はアメリカのNASAとグーグル社による共同研究で、現在のパソコンの1億倍の速度で計算できるコンピュータ(量子コンピュータ)が登場し、IBM社の人工知能「ワトソン」は、人間並みの新しい料理のレシピを作れるようになりました。グーグル社は自動車の自動運転も研究していますが、これはすでにアメリカでは公道での実証実験が始まっています。日本でも神奈川県や自動車メーカーの日産が同様の実験を行なうと発表しています。

 シンギュラリティを迎えた際、現在人間が行なっている仕事を人工知能やロボットが行なえるようになる、と言われています。今ある職業の半分は無くなってしまうという予測もあります。
 たった30年後、いま保育園にいる子ども達が30〜36才の働き盛りの頃には、平成27年に存在する仕事のいくつかは無くなっているかもしれない。その時、彼らはどのような選択をするでしょうか? そこに過去の経験はどれほど活かされるでしょうか? いつでも未来は不確定です。その未来を作り出す子ども達に、私たちは何を伝えることができるでしょうか?

 親が子供に代わって選択し続けることは不可能です。子どもはいつまでも幼いままではなく、いずれ自立していきます。その時が近づいてから不確定な中での選択や決断ができるよう促すのではなく、もっと前から、つまり今この瞬間から始めていかなければならないでしょう。

 失敗するとわかっていて、あえて見守る。怪我をするとわかっていて、あえて見守る。友達とのケンカをとめずに(互いにやる気で・素手で・1対1でやること、などの条件はありますが)、見守る。
 大人ができることは、その先にある、どんな状況でも対応できる勇気と自信を子どもが獲得できると信じて、見守ることです。