愛別離

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 本日はご入園・ご昇級、おめでとうございます。この節目の時期、保護者の皆さまにおかれましては、お子様たちの成長を感じ、何にも増してうれしく楽しい気持ちを持たれているのではないでしょうか。

 4月は出会いの月です。子ども達も新しいお友達、新しい担任との出会い、また新しいお部屋などと環境が変わり、戸惑うことが多くあると思います。しかし少し時間がかかりますが、次第に馴染んでいき、また保育園での落ち着いた生活を送ることができるようになりますので、頑張っているお子様をお見守りください。

 出会いの前には別れがあり、3月は卒園という「愛別離苦」を味わいます。仏教にある「四苦八苦」の内「八苦」の一つで、愛する者との別れの苦しみを言います。別れがなぜ苦しいのかといえば、慣れ親しみ、思いを行き交わした親しい人を失うことは、自分の身を失うがごとく感じるからでしょう。
 出会いはいずれお別れの瞬間を迎えます。そこには寂しい気持ちが伴います。出会いの喜びはそのまま別離の悲しみにつながり、いっそ出会わなければこのような寂しさを感じずに済む、と思っても無理からぬものです。

 しかしそれでもやはり4月を迎えると、出会うことのうれしさ、喜ばしさを感じずにはいられません。出会うことから始まる時間を大切にし、良きものとして喜びあえる思い出をたくさん作っていくでしょう。またその喜びの分、別れが辛くとも……それはその瞬間までが素晴らしい日々であったことの証であろうかと思います。

 そのような日々を過ごしながら、一日いちにち成長するお子様の様子を感じていただければ幸いです。